【フラックスシードオイル(亜麻仁油)とは】
亜麻仁(アマニ)、英語ではフラックスシード(flaxseed) と呼ばれてます。
人類が初めて栽培した植物で、茎からはリネンの布地が作られ、種子は食用として古代から愛用されてきました。
ゴマに似た形状をしていますが、その栄養価は全く異なり、近年の研究の結果、オメガ3系脂肪酸を中心として、現代の食に不足している栄養素を豊富に含んでいる事が知られ、欧米では消費が急速に伸び、亜麻仁は「スーパーシード」と呼ばれています。
私たち現代人、とりわけ日本人は、昔は米、魚、野菜を中心にした食生活でしたが、食生活の欧米化により、必然的に摂取する油脂も量が増え、食生活が変わってきました。
肉類には体脂肪の元になる飽和脂肪酸がたっぷりあり、揚げ物に使う植物性オイルには、摂りすぎると害になるリノール酸などのオメガ6系脂肪酸が多いため、それらが必要以上に体内に取り込まれるようになりました。
特に必須脂肪酸のバランスが問題で、オメガ3のαリノレン酸の摂取量が現代人の食生活に不足しているということに注目しなければなりません。
αリノレン酸もリノール酸も体内で産生されませんから食べ物から摂らなければなりません。これらの脂肪酸は、体内でDHAやEPAに変換されプロスタグランジンという身体の諸機能をコントロールするホルモン様物質の原料になります。DHAとEPAは炎症やアレルギーにも働きかけ、アトピーにも有用です。
しかし、αリノレン酸が産生するプロスタグランジンは善玉ですが、オメガ6系のリノール酸が過度に摂取されると悪玉プロスタグランジンが増えます。
健康維持には、この二つの脂肪酸をバランスよく摂取することが大切で、日本では、そのバランスはオメガ6系対オメガ3系が少なくとも5対1が望ましいといわれています。
オメガ3系のαリノレン酸の厚生労働省の推奨摂取量は成人男性で1日約2.2グラム、女性は2.0以上です。(妊娠中や授乳期の女性には2.5グラム必要とされています。)
また、フラックスシードオイルには、リグナンというポリフェノールの1種が豊富に含まれており、女性ホルモンの『エストロゲン』と似た働きがあり、中高年女性特有の不調だけではなく、月イチ前のイライラなどもサポートしてくれます。
※DHAやEPAと比べてフラックスシードオイルはどう違う?
DHAやEPAは、魚油に存在する動物性の多価不飽和脂肪酸でαリノレン酸と同じオメガ3系です。αリノレン酸は体内でDHA・EPAに変化するいわば前駆体です。
魚油には、DHAやEPAの天然の含有量は少ないうえ、海洋汚染の心配や臭いなどの難点がありますから濃縮・脱臭の化学処理が必要です。
また、動物性ですから、コレステロールを含んでいます。そして、動物性は酸化しやすく、すぐに過酸化脂質に変化します。
αリノレン酸は、「亜麻仁」以外に「チアシード」や海藻にも含まれていますが、含有量、オイルの風味などで違いがあります。